Past (過去)
ONODERAさん
あなたの知恵は、悪知恵ですか。
Kは、優しくて正直で強い知恵者が好きです。
この人、ある町のりっぱな肩書の持ち主。
人は、この肩書に騙されやすい。
肩書に見合った人間であることを期待する。
だだし、太古の昔から賢者の統治が行われたためしがない。
したがって、今後もないそうである。
さて、庶民としてはどうするか。
ささやかな抵抗を試みることになる。
心強い味方が一人でもいれば・・・
KとJは、目だけで話ができる。
ぴったり合った、歯車のようなもの。
周囲の思惑や小細工で、微妙にずれた、ずれさせられた歯車が、どんな恐ろしい結果を招く事になるか、誰も予想がつかなかったはず。
***********************************************************************************************************************
ここは役所のデスク、外は雪。
Kの隣には、外国人のJ。
Jには全く違和感がない。
美術館に電話がかかってきた。
”いろいろ考えて、あなたに決めました。”と担当者が言う。
”ありがとうございました。”と答えるK。
<いろいろ考えた?どういう意味だろう>
この美術館にも問題がある。
嫌いな仕事ではないが、続けてもいいことはなさそうだ。
新聞に事務員募集のチラシがはいっていた。
”ここへ履歴書出したか”と父が言う。
<おかしな事を言うな、この人ほど役所に嫌われている人間はいないのに>
Kは相手にしない。
美術館の仕事は嫌いではない。
数日後、”ここに入って、改革してくれ”としつこくまた言う。
<役所がこの人の娘を雇うはずがない>
どうせ採用になるなるはずはないと思いながら、町の教育委員会へ履歴書を持っていく。
不思議なことに、採用の連絡がきた。
<どうせ臨時だ、6か月だけだからいいか>
10月、勤務の初日事務所へ行くと、Kの隣の席に外国人が座っている。
<こんな田舎にも、外国人が来ているのか>
Kは都会で仕事をしていた。
この町の事情には、うとい。
***** つ づ く
あなたの知恵は、悪知恵ですか。
Kは、優しくて正直で強い知恵者が好きです。
この人、ある町のりっぱな肩書の持ち主。
人は、この肩書に騙されやすい。
肩書に見合った人間であることを期待する。
だだし、太古の昔から賢者の統治が行われたためしがない。
したがって、今後もないそうである。
さて、庶民としてはどうするか。
ささやかな抵抗を試みることになる。
心強い味方が一人でもいれば・・・
KとJは、目だけで話ができる。
ぴったり合った、歯車のようなもの。
周囲の思惑や小細工で、微妙にずれた、ずれさせられた歯車が、どんな恐ろしい結果を招く事になるか、誰も予想がつかなかったはず。
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ここは役所のデスク、外は雪。
Kの隣には、外国人のJ。
Jには全く違和感がない。
美術館に電話がかかってきた。
”いろいろ考えて、あなたに決めました。”と担当者が言う。
”ありがとうございました。”と答えるK。
<いろいろ考えた?どういう意味だろう>
この美術館にも問題がある。
嫌いな仕事ではないが、続けてもいいことはなさそうだ。
新聞に事務員募集のチラシがはいっていた。
”ここへ履歴書出したか”と父が言う。
<おかしな事を言うな、この人ほど役所に嫌われている人間はいないのに>
Kは相手にしない。
美術館の仕事は嫌いではない。
数日後、”ここに入って、改革してくれ”としつこくまた言う。
<役所がこの人の娘を雇うはずがない>
どうせ採用になるなるはずはないと思いながら、町の教育委員会へ履歴書を持っていく。
不思議なことに、採用の連絡がきた。
<どうせ臨時だ、6か月だけだからいいか>
10月、勤務の初日事務所へ行くと、Kの隣の席に外国人が座っている。
<こんな田舎にも、外国人が来ているのか>
Kは都会で仕事をしていた。
この町の事情には、うとい。
***** つ づ く
2011-01-10 03:45